ルームメイト 今邑彩著 ネタバレなし感想
著者 今邑彩 1955年(昭和30)年、長野県生まれ。都留文科大学英文科卒業。会社勤務を経て、フリーに。1989(平成元)年鮎川哲也賞の前身『鮎川哲也と13の謎』に応募し13番目の椅子を『卍の殺人』で受賞。以降、推理小説を中心にホラーなどを手がける。著書に『i(アイ)』『「裏窓」殺人事件』『そして誰もいなくなる』『少女Aの殺人』『赤いべべ着せよ・・・』『つきまとわれて』『よもつひらさか』『双頭の蛇』『暗黒祭り』『いつもの朝に』『鬼』など。
この作品は、ネタバレなしで紹介するのは本当に難しいです。キーワードひとつ言っただけで、すぐ想像ができてしまうのです。いや難しい。
萩尾春海は大学入学と同時に東京へ出てきた。それで、下宿先を探しているときに西村麗子と出会った。
彼女も地方から出てきて下宿先を探している学生だった。
地味そうな印象の麗子に誘われて春海は一緒に「一緒に住まない?」といわれ、承諾する。
2LDKのマンションを借りて二人で済むことになった。お互いに干渉しないという条件で。家賃は折半した。
一緒に暮らし始めて、すぐに春海は麗子の変貌ぶりにビックリする。地味な印象だった麗子は服装が派手になり、メガネもコンタクトにして朝から呑んでいたりする。
その麗子が突然いなくなってしまった。そのうち、麗子のダンナだという人が現れて。
麗子は2重の生活をしていたらしい。
初めて読む作家さんの作品でしたが、独特の世界観にどっぷりとハマってしまいました。おもしろかったー。
出会ってよかったです。読書はこれがあるから楽しい。他の作品も追いかけたいと思います。
私は彼女の事を何も知らなかったのか・・・?
大学へ通うために上京してきた春海は、京都からきた麗子と出会う。お互いを干渉しない約束で始めた共同生活は快適だったが、麗子はやがて失踪、跡を追ううち、彼女の2重、3重生活を知る。彼女は名前、化粧、嗜好までも替えていた。茫然とする春海の前にすでに死体となったルームメイトが・・・。
medium [メディウム] 霊媒探偵 城塚翡翠 相沢沙呼著 感想
著者 相沢沙呼 1938年埼玉県生まれ 2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。
繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。
『小説の神様』は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写化された。
本書で第20回本格ミステリ大賞受賞。、『このミステリーがすごい!』2020年版国内編第1位、『本格ミステリ・ベスト10』2020年版国内ランキング1位、『2019年ベストブック』(AppleBooks)2019ベストミステリー、2019年『SRの会ミステリーベスト10』第1位の5冠を獲得。さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補となった。
最新作は、本書の続編となる『invent 城塚翡翠倒叙集』。
ミステリー小説家である『香月史郎』(こうげつしろう) のもとに、出身大学の後輩『倉持結花』(くらもちゆいか) から不思議な依頼が舞い込む。
『一緒に霊媒師と会ってほしい』という内容である。
霊媒師のことを全く信用していなかった『香月』は、自分の職業を当てられて少し戸惑う。
その霊媒師というのは、『城塚翡翠』(じょうづかひすい) といい、とても若く目が翠色のクウォータ―の娘だった。とても美人だ。
事件は『倉持結花』が亡くなっているところから始まる。
『犯人は女です』『香月』に『城塚翡翠』は言う。
実は『香月』は以前から警察の捜査に協力していた。今回もなじみの刑事『鐘場正和』(かねばまさかず) に協力をすることになった。
当然、刑事である鐘場正和は霊媒のことなど最初から信用していない。
今回『香月』は、『城塚翡翠』の霊媒能力を参考に、上手く辻褄を合わせて『鐘場』にも納得できる論理を組み上げて、事件を解決に導いていく。
物語は4つの短編集で構成されていますが、それぞれ繋がっていますので、最終的に1つの物語として楽しめます。
1事件づつ、『香月』と『城塚翡翠』が協力して解決します。
途中で二人の距離が縮まり、恋愛要素もありかな?
物語と物語の間に『インタールード』という犯人視点からの殺害の場面等が描かれています。短いですが非常に重要な場面ですので、あとで読み終わってから『インタールード』だけ読み返してみても楽しめると思います。
最終話では、巷を騒がせている連続殺人鬼と対峙することになります。実は、その連続殺人鬼の次のターゲットは城塚翡翠なのです。さて、どうなるのでしょうか。事件は無事解決されるのか?
いやー、おもしろかったです。前評判通りの作品でした。
帯に書いてあった『全てが伏線』。これにも納得です。
物語は終盤、180℃展開します。お見事です。
これまでの世界がひっくり返ります。大どんでん返しです。
『王道』と言っていいトリックですが、見事にだまされました。
ミステリー好きなら、外せない逸品と言っていいでしょう。
私のこれまで読んできたミステリー小説の中で、間違いなくトップ10に入る小説です。
ああ、まだ読んでいない人がうらやましい。
ありがちな言葉ですが、もう一度記憶を消して、この小説を楽しんでみたい。そう思わせるほどの傑作です。
表紙の絵を良く見るとあの場面かなと想像がつきます。読み終わったあと、じっくりと観察したらまたひとつ楽しめます。
著者 相沢沙呼さんは、ミステリ作家でありながらアマチュア・マジシャンでもあるそうです。(このあたりにこの小説のヒントが隠されていそうですね)
表題にある『メディウム medium』というのは、霊媒という意味らしいです。
ちょっとべた褒めしすぎたかな
おススメ度は、★★★★★★(満点)
続編が出てるようなので、そちらも楽しみです。
この終わり方で続編ができるの?
死者が視える霊媒・城塚翡翠じょうづかひすい と、推理作家・香月史郎こうげつしろう。心霊と論理を組み合わせ真実を導き出す二人は、世間を騒がす連続死体遺棄事件に立ち向かう。証拠を残さない連続殺人鬼に辿り着けるのはもはや翡翠の持つ超常の力だけ。だがその魔手は彼女へと迫り――。ミステリランキング5冠、最驚かつ最叫の傑作!
2021年9月15日 文庫版発行
大相撲 令和6年(2024年)1月場所(国技館) 感想
2024年初場所は、まさかの照ノ富士の優勝でしたね。事前の稽古総見では、かなり精彩を欠いており、今場所は出場しない方がいいんじゃないかと、誰もが考えていたと思います。
事前の稽古不十分で、稽古総見でちょっと動いただけで、ぜいぜい息が上がっていたのがかなり印象的でした。
腰痛や、手術した両膝、あるいは糖尿病など、満身創痍の状態での優勝は立派です。流石横綱です。
7日目までに2敗になった時は、休場もありえると思いましたが、よく粘りましたね。その後、全て勝って13勝2敗。たいしたものです。
今場所は巻替えの技術など、技術の上手さが光っていたと個人的には思いました。
これで通算9回目の優勝。節目となる10回目にあと1つと迫りました。優勝10回は非常に大きな目安となる数字です。ここまで来たら、ぜひ達成してほしい記録です。
がんばれ照ノ富士! あと1つの優勝で、歴代の横綱の中でも優勝10回を成し遂げた名横綱と肩を並べることができます。
琴の若は優勝決定戦まで行き、存在感を十分にアピールすることができました。場所後の「大関」昇進は確実らしいです。すでに取り口に大関の風格が出てきていますね。
お父さんの成し遂げられなかった「大関」を見事手に入れました。新しい日本人のニューヒーローが誕生しました。
というのも、大関貴景勝が今場所、古傷の首を痛めてしまい休場しています。個人的に首は限界に来ていて、いつ引退してもおかしくない状況だと思っていました。
日本人最強の大関が居なくなってしまうというピンチに救世主のように現れたのが琴の若なのです。もちろん、貴景勝にも頑張ってもらって、2大大関としてこれからの「大相撲」界を引っ張って行ってほしいというのが理想です。
さらにその上にもう1つの番付「横綱」があります。最高峰の横綱を目指してこれからも精進して行ってほしいと思います。
霧島の綱取りはなくなりました。11勝4敗では来場所にもつながりません。また一から出直しですね。
期待の若手も育っています。新入幕の大の里ですが、11勝4敗。敢闘賞受賞です。石川県出身ということで、ファンの応援も多かったように思います。元気を届けられたんじゃないでしょうか。将来が楽しみです。
元「寺尾」の「錣山親方」が逝去されました。まだ60歳。若いです。非常に残念です。
不整脈が続いていて、入退院を繰り返していたとのことでしたが、心臓ですね。お相撲さんは本当に寿命が短いです。
元「豊真将」の立田川親方が「錣山部屋」を継承するようです。弟子たちは今場所よく頑張りました。「寺尾」の教えを守り、これからも稽古に励んでほしいと思います。
出棺の時に、沿道に詰めかけたファンからの「寺尾ありがとうー!」という大きな声が印象的でした。私も同じ気持ちです。ご冥福をお祈りいたします。
大相撲 令和5年(2023年)11月場所(九州) 感想
今年(2013年・令和5年)一年納めの九州場所は、なんと言っても「貴景勝」の綱取り場所でしたが、成績は九勝六敗。全くダメでしたね。
大関の成績としても所謂「クンロク」では、よくないです。最低二桁が大関としての合格ラインでしょう。上に向けてまた一から出直しですね。
優勝したのは、大関の「二代目霧島」。十三勝二敗は立派な成績ですし、来場所は「霧島」が綱取りの場所となるでしょう。
このまま「横綱」まで一気に駆け上がるのか、どうなるでしょうか。とても楽しみです。
「熱海富士」は先場所に引き続いて、今場所も最後まで優勝争いに絡む大活躍でしたね。取り口を見てても、緊張感は感じられず、自らの相撲道に精進している様子が伺えます。好印象です。このまま成長していってほしいですね。何といっても、まだ21歳。若いです。「敢闘賞」を受賞しました。
「琴ノ若」は、関脇で十一勝四敗。千秋楽、勝てば「敢闘賞」受賞のプレッシャーの中、見事勝ちました。立派です。このお相撲さんは、一皮むけたような気がしますね。「大関」への起点となる成績を上げて、今後が楽しみです。お父さんが越えられなかった大きな壁を越えるチャンスをモノにできるかどうか。
「宇良」が前頭筆頭で勝ち越してますね。まだ分かりませんが、来場所は三役昇進の可能性が高いです。あの体で大したものです。千秋楽取組後の顔は何を考えていたのでしょうか。何かを達観したような賢者のように見えました。聞いてみたいです。
「豊昇龍」が「大関」として十勝五敗。まずまず合格点と言えるのではないでしょうか。ただし、この地位で満足する力士ではないでしょう。おじさんの「朝昇龍」のように「横綱」に上がるには、優勝争いに絡んでいかなければならない。とすれば、あと二つ三つ上乗せする実力が必要でしょう。ここで満足してはいけません。そういう運命の力士です。
個人的には体重が、あと10kg程度必要かなと思っています。それで安定感が増して、押されにくくなるでしょう。
休場した横綱「照ノ富士」は、腰の状態がかなり悪いようです。果たして今後の復帰はあるのでしょうか。注目しているところです。
一年納めの九州場所は、大関「霧島」が土俵を締めて終わりました。大きな波乱はなかったですね。「熱海富士」が先場所に続いて優勝争いをしたのが印象的でした。
来年の初場所は、一月十四日初日です。楽しみです。